「化石はどこだ?」 〜札幌の街〜
地下街やデパート、ホテル等の壁や柱に、白・黄・ピンクの美しい大理石(だいりせき)が使われていることがあります。それらの大理石には、しばしば生物の化石が含まれています。
- アンモナイト (大通り地下街オーロラスクエア 撮影:2005/11/23)
- オウム貝・ベレムナイトの断面 (大通り地下20番出口の看板近く 撮影:2005/11/23)
オウム貝は、今も暖かい南の海に住んでいる「生きた化石」として有名ですが、ここの大理石にはイタリア産のオウム貝の化石が閉じ込められています。
大理石は、石灰岩(せっかいがん)のうちの美しい岩石の呼び名です。*1
石灰岩は、堆積岩(たいせきがん)と言う岩石の種類の一つで、堆積岩には、他に礫岩(れきがん)・砂岩(さがん)・泥岩(でいがん)が有ります。
堆積岩は、長い年月を経て、地表にあった物質が少しずつ川や湖や海の底にたまって出来た岩石のことです。
石灰岩は、死んだ生物の骨や殻、サンゴ等が腐らずに堆積した岩石で、石灰質で出来ています。
- 堆積することにより、サンゴや化石が含まれるイメージ
大理石に閉じ込められている化石の代表的なものとして、古生代にはフズリナ・ウミユリと四射サンゴがあります。中生代では、アンモナイトとベレムナイトがあります。新生代は、二枚貝・貨幣石(ヌンムテリス)・サンゴが多く観察されます。デパートやホテルに入って、大理石を見つければ、化石を見分けることで、その大理石が出来た年代まで、わかってしまうって、面白いですね。
【参考】
札幌の街中の化石は、北海道新聞でも取り上げられているし、「さっぽろ ビル街の化石めぐり」の本でも、よく知っている人もいると思います。
【参考】
自分の研究成果を展示したい人には、学芸員も相談に乗ってくれる
札幌市博物館活動センター 中央区北1西9リンケージプラザ5F
http://www.city.sapporo.jp/museum/index.html
デパートや地下街で、壁や柱に向かって怪しい行動を取るなんてとか、落ち着いて化石を見たいとか、そんな人にお勧めなのが、北大の総合博物館 面白い化石が、いっぱいありますよ。
- 北海道大学総合博物館 (撮影:2005/11/12)
- 爬虫類 (北海道大学総合博物館 撮影:2005/11/12)
- トンボ (北海道大学総合博物館 撮影:2005/11/12)
【住所】
北海道大学総合博物館 札幌市北区北10条西8丁目
【公式サイト】
http://www.museum.hokudai.ac.jp/
北大博物館のおすすめはデスモスティルスの骨格標本だそうです。
(撮影・文・図:荒瀬 美由紀) 最終更新:2006/02/02 Ver 1.0
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