最近街角に増えた大型ディスプレイ


 札幌駅の南口駅前に大型ディスプレイがあり、通りすがりの人に情報を提供している。ここ数年で大型ディスプレイを街で良く見かけるようになってきたが、普及の背景には青色発光ダイオードの開発成功がある。

  • 図1 札幌駅南口の大型ディスプレイ


 赤・青・緑の光を組み合わせれば、さまざまな色の光を作る事ができる。この3つの色を、光の3原色という。(図2) ディスプレイには光の点がたくさん並んでいて、色の強弱を調整することで映像を写している。1つの点を拡大してみると、3原色の赤・青・緑の3つの点で構成されている。

  • 図2 光の3原色


 以前は赤と緑の発光ダイオードは開発されていたが、青の開発ができていなかった。(図3) また緑の発光ダイオードは黄緑色に近く、十分な明るさが無い問題があった。そのため発光ダイオードでディスプレイを作ることができなかった。なお、発光ダイオードというのは、電気を通すと光る半導体のことである。LED(*1)と呼ばれることもある。

*1 Light Emitting Diode 、エルイーディーと読む



 青色発光ダイオードの開発及び量産の成功は、発光ダイオードで3原色がそろう大きなきっかけとなった。かつて大手メーカーがこぞって開発に挑んだが、20世紀中の開発は不可能と言われていた。しかし現在カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二さんの研究がブレークスルーとなり、1993年に青色発光ダイオードが実用化できるようになった。


 その後、青色発光ダイオードの技術を応用し、緑色の発光ダイオードも以前より明るい光が出せるようになった。その結果十分な性能の発光ダイオードが3原色そろうことができた。そのため、発光ダイオードを利用した大型のディスプレイが安価に作れるようになり、現在普及が進んでいるものである。


NEDO「よくわかる!技術解説」
http://www1.infoc.nedo.go.jp/kaisetsu/nan/na03/