コーヒーの香りの向こうには・・・ 〜旧小熊邸〜



もいわ山ロープウェー乗り場の近くに、旧小熊邸が静かにたたずんでいます。
この建物は、北海道帝国大学(現 北海道大学農学部の小熊捍 博士の邸宅を移築・再建したものです。

  • 緑の中に佇む旧小熊邸(2007/4/30 撮影)


小熊博士は、現在の北海道大学理学部の創立時の教授で、動物学を担当されていました。後に理学部長なども歴任され、北海道大学のみならず、日本の遺伝学研究の発展に大きく貢献されたそうです。

現在、この建物は喫茶店として使用されています。
邸内では、素敵な空間の中でおいしいコーヒーを楽しむことができます。

  • ゆっくりとコーヒーを楽しむ人たち(2007/4/30 撮影)


さて、みなさんが楽しんでいるこのコーヒー。
小熊邸でいただくときのように、リラックスしたい時にも飲みますが、
「眠いときに飲むと目が覚める」とも言われています。
コーヒーを飲むと、どのような作用があるのでしょうか。


■カフェインは「ブロックする」分子


コーヒー豆に含まれている成分の中で、眠気を覚ます覚醒作用をもたらすのは、「カフェイン」と呼ばれる物質です。


私達の体の中で働く物質の中に、アデノシンというものがあります。
アデノシンは、これを認識する「アデノシン受容体」と結合することで、様々な作用を起こします。
カフェインは、このアデノシン受容体に結合することができます。
受容体に結合はできますが、その後の反応を起こす引き金にはなりえません。
そして、カフェインが結合すると、そのあとにアデノシンが結合することができなくなります。
結果として、カフェインはアデノシンの働きをブロックすることになります。


  • カフェインはアデノシン受容体に結合することができる


アデノシンが神経に作用すると、リラックス効果・疲労感をもたらします。
カフェインはこれをブロックすることにより、リラックス=眠気をブロックするのです。


■素敵なコーヒータイムを


  • 旧小熊邸でいただくコーヒー(2007/4/30 撮影)

コーヒーには窓の外が映っていました。


カフェインの作用ではありませんが、
コーヒーの香りは気持ちを落ち着けてくれますね。
旧小熊邸でいただくコーヒーは、そこで生活した人たちのことを思い起こさせてくれました。
これから緑の美しい季節です。
室内から窓の外を眺めるのもよし、テラスで森の空気と共にコーヒーを味わうもよし。
素敵なコーヒータイムを満喫しに、もいわ山まで出かけてみませんか。


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