時のヒミツ 〜札幌 時計台〜


  • 札幌時計台の2階ホールにある塔時計 (撮影:2005/11/12)


みなさんの家には、どの様な時計がありますか?
その時計は、長い針(長針)と短い針(短針)が、360度回転するアナログ式の時計でしょうか?それとも、1秒ずつとか、1分ずつ現在の時間を数字で表示するデジタル式の時計でしょうか?
デジタル式の時計は、一瞬の現在を表示するので「今何時?」と言う絶対的な時間を知るのには大変便利です。アナログ式の時計は、過去・現在・未来の連続した時を表示するので、長針も短針も一瞬も留まることが無く「あと何分で何時?」などの相対的な時間を知るのに、便利です。


札幌時計台は、現存している塔時計としては日本で最も古く、明治から今まで歯車などの主要な部品を交換することなく、現役で、時を刻み続けている極めて珍しい時計です。
時計台の正式名称「旧札幌農学校演武場」は、北海道大学の前身の札幌農学校の、体育の授業に使う目的で建設されたことに由来します。
時計台の時計機械は、鳩時計と同様の振り子時計で、動力にはおもりを利用し、おもりは豊平川の玉石を入れた木箱です。
鎖(ワイヤー)の巻き上げは週2回、現在も人の力により行われています。
振り子時計は、振り子の等時性(とうじせい) *1を利用し、正確に時を刻める工夫をしてあります。
http://comm.sci.hokudai.ac.jp/~ishimura/webteam/pendulum.gif

  • 振り子の等時性のイメージ


時計台の時計は昼も夜も休むことなく動き続け、毎時間、時の数だけ鐘が鳴ります。
1時には1回、2時には2回・・・12時には12回、鳴ります。1日に短針は2回、360度回転します。さて、毎日何回の鐘が鳴っているのでしょうか?
有名な数学者ガウスが10才頃、考え付いた式で解いてみませんか?

 1+ 2+ 3+・・・ +11+12
12+11+10+・・・ + 2+ 1

((1+12)×12÷2)×2=?

【住所】
札幌時計台 札幌市中央区北1条西2丁目

【公式サイト】
http://www.tokeidai.co.jp/tokeidai/index.html

http://www15.ocn.ne.jp/~tokeidai/

影で時計台を支える人達には、ただただ感謝です。
(撮影・文・図:荒瀬 美由紀) 最終更新:2005/12/22 Ver 1.0

*1:【振り子の等時性】同じ長さのヒモなら、ヒモの振れる距離が大きくても小さくても、重さを換えても往復する時間は変わらない。ヒモの長さを換えると往復する時間が変わる。