進むデジタル化 〜手稲山にある地上デジタル放送のアンテナ〜

6月から札幌市周辺で地上デジタル放送が始まる。アンテナは手稲山の山頂付近(標高約1024m)に設置され、送信準備が整ってきている。


  • 手稲山の山頂付近にあるアンテナ郡。地上波デジタルの送信アンテナもすでに設置されている。


地上波デジタルとは、現在のアナログのTV放送をデジタル化したものであり、一部の都市では平成15年から放送されている。TVをデジタル化することにより、画質を良くしたりゴーストが無くなるなどの利点がある。なお現在のアナログ放送は、平成23年で終了する予定である。北海道にあるTVアンテナとしては、大通公園にある「テレビ塔」が有名である。しかし、高さが低く電波が届きにくいため、現在のアナログ放送の送信アンテナはすでに手稲山に移っており、テレビ塔は中継局としての役割を担っている。


  • テレビ塔は高さが低く電波が建物にさえぎられてしまうため、手稲山にアンテナがある


ところで、東京ではデジタル放送が始まっていて、東京タワーの上層に臨時に追加したアンテナで放送している。しかし東京タワーの高さではカバーできない地域ができてしまうことがわかっており、墨田区に「第2東京タワー」を建造する計画である。なお、「第2東京タワー」は完成したら電波塔としては世界一の610mになるそうである。


  • 東京タワーには地上波デジタル用のアンテナが臨時に追加されている


■いろいろな製品がアナログからデジタルへ


近年さまざまな物がアナログからデジタルへ置き換わってきている。レコードがCD、ビデオがDVD、フィルムカメラデジタルカメラに置き換えられつつあるなど、身の回りの機械はいろいろなものが着々とデジタル化してきている。
 アナログというのはアナロジー(類似、相似)からできた言葉で、連続な量を連続のまま記録したりすることである。それに対しデジタルは、連続な量を整数に置き換えて記録したりすることである。デジタル化することのメリットは、劣化が無くなったり、情報をコンピュータで扱いやすくなるなどである。例えば最近ではデジカメが普及して、写真をコンピュータで簡単に扱えるようになった。その結果、パソコンも家庭に普及してきていることから、ひと昔ではプロにしかできなかったような画像処理などが簡単にできるようになってきている。またコンピュータ業界の進歩は極めて早いが、その進歩の恩恵を家庭でも受けることができるようになってきている。

  • 次々とデジタル化していく電気製品


一方でアナログ時計やレコードなど、根強く支持する人のいるアナログ製品もある。デジタル化すると情報処理の基盤が共通化されて加工がしやすくなった反面、その規格から外れたことができないというデメリットがある。デジタルの場合、誤差の大きさは規格によって決まる。それに対しアナログの場合、機器の精度を上げるにともない誤差を小さくすることができる。アナログにもメリットがあるため、依然として使用し続けられているものである。
またデジタル時計は時間を数字として読み上げやすいが、アナログ時計は直感的に理解しやすいという特徴がある。時計についてはそれぞれが長所を持つことから、一般的にもアナログとデジタルが共存しているものである。

【公式サイト】

NHK札幌放送局 地上デジタル 
http://www.nhk.or.jp/sapporo/digital/


(文・写真・図:宮下友則) 最終更新:2006/4/28 ver. 1.0