ガラスのピラミッド 〜モエレ沼公園〜


みなさんは、ガラスのピラミッドというと、どこを思い浮かべますか?パリのルーブル美術館でしょうか?それとも、札幌のモエレ沼公園でしょうか?
昔、豊平川が蛇行して出来た三日月湖モエレ沼は、近くに住んでいる人達がここを公園にして欲しいと望んでから約30年、設計からは約17年、2005年7月に公園として完成しました。
彫刻家のイサム・ノグチさんが「全体をひとつの彫刻」として設計したモエレ沼公園のシンボルとなる建物が、ガラスのピラミッド、愛称HIDAMARIです。


HIDAMARIの高さ30mを超える大きな三角形の頂上部は、ピラミッド形になっています。ピラミッドと言えば、エジプトのクフ王のピラミッドを思い浮かべる人が多いですよね。
ピラミッドの形は、四方の面は三角形をしていますが真上から見ると四角形の立体です。この形を四角錐(しかくすい)と言います。クフ王のピラミッドは、ほぼ完全な正四角錐です。

  • クフ王のピラミッド(四角錐)と黄金長方形のイメージ


クフ王のピラミッドの四方の壁面の三角形は、二等辺三角形です。この三角形を半分にして、片方を逆さまにして、長方形に組み替えると、ヨコとタテの比率が 1:1.618・・・の黄金比となります。この長方形のことを、特に黄金長方形*1といいます。身近なものでは、名刺の縦:横の比率が近い数字です。
また、大昔より建物や美術の中で、不思議な数字黄金比*2が大活躍しています。究極の調和ですね。

  • クフ王のピラミッドの分解イメージ


HIDAMARIは、見る方向により形を変える、不思議な建物です。


モエレ沼公園には、遊び道具、建物、山や森のあちこちに、三角形・四角形・六角形・円などのいろいろな形が、隠れています。それらの面白い形を見つけに、遊びに来ませんか?


【追加情報】
札幌市東区は「山」の無い平坦な土地でしたが、2004年6月、人間が土を延々とトラックで運びこんで作ったモエレ山(62.4m)が、札幌市東区の「最高点」として、国土地理院の2万5千分/1の地図に登録されました。「山」として認められたのです。(2006/05/26)

【住所】
モエレ沼公園 札幌市東区モエレ沼1−1

【公式サイト】
http://www.sapporo-park.or.jp/moere/

http://www.hokkaido-jin.jp/issue/200509/sp_01.html


【参考】

http://www.louvre.or.jp/
ルーブル所蔵のレオナルド・ダ・ヴィンチの絵やミロのヴィーナスも黄金比で有名です。

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ピラミッド部分、ほとんど同じ形ですね。
(撮影・文・図:荒瀬 美由紀)最終更新:2006/01/05 Ver 1.0

*1:【黄金長方形】長方形から正方形を切り取ると、残りの長方形がもとの長方形と相似になっている図形のこと。

*2:黄金比】黄金率、黄金分割とも言われ、人間が最も美しい・バランスのよいと感じる形を構成する比率のこと。