GPSの座標に0(ゼロ)が並ぶ場所 〜札幌駅の近くにて〜


札幌駅から北西に数分歩いた場所に、GPS(*1)の秒の値がゼロになる位置がある。GPS受信機を内蔵した時計や携帯、カーナビなどがあれば、秒の値が東西も南北も00になることを知ることができる。切りのいい数字を見ると嬉しくなる人には必見である。

  • 写真 GPSの秒(下2桁)が00。Nが南北、Eが東西を示す。


GPSとは
GPSは、複数の人工衛星から電波を受信することにより現在位置を座標で知ることができるシステムである。1970年代にアメリカが人工衛星を打上げ、GPSのシステムを構築した。GPSの受信機が電波を受けることができる場所なら、地球上のどこにいても位置を知ることができる。位置情報は7桁の数字が2つで表され、それぞれ東西座標と南北座標を表している。7桁の内訳は、○○○度○○分○○秒と表される。度とは地球を360等分した経度と緯度である。分と秒は時計と同じく、1度を60等分したものが分であり、分を60等分したものが秒である。

 GPSは航空機の運行や地図の作成などに利用されているほか、カーナビなど一般市民が手にするものにも利用されている。GPS現代社会に欠かせないサービスになりつつあるものである。


■キリの良い数字を探す遊びがある
 ところで、切りの良い数値の場所を探すという、GPSを利用した遊びがある。“ポイントゼロを探せ”という名前で親しまれている。ポイントゼロとは、分と秒の値がゼロになる場所のことで、その場所を探すものである。ポイントゼロとポイントゼロの間は100km以上もあるため、数は少ない。この記事の冒頭でも書いたが、マップで指定した位置は秒だけがゼロになるポイントである。秒がゼロになるポイントは約1km毎にあるが、この場所は札幌駅に一番近いポイントである。


■実際にポイントゼロを探してみた
筆者は分と秒の両方がゼロになる”ポイントゼロ”についても探してみた。夕張市に1ヵ所あることを知り、自家用車で行って探してみた。

カーナビを頼りに近くまで行くと、ポイントゼロは、少し山の中に入ったところにあることがわかった。山をみてもそんなに高くなかったことから、車を降りて進んでみた。しかし道無き道を進むことになり、山登りの準備もしてなかったことからあと21‘‘のところで断念してしまった。もうあと200〜300mで到達できたかもしれない。いつか必ず到達してやると心に誓い、山を後にするのであった。なお、私が行ったときは12月初旬であったため、雪が少なかったが、冬にはカンジキが無いと歩くことはできなそうであった。


  • 写真2 あと21‘‘でポイントゼロ


  • 写真3 ポイントゼロ到達を断念した場所周辺の写真。(撮影:2005/12/4)

*1 Global Positioning System:全地球測位システム

(撮影・文 宮下 友則) UPDATE 2006/1/22